水面の自分

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 橋の上から川を覗いた。  水面に映る自分の姿。ゆらゆら揺れて、まるで違う人間のよう。  なんとなくの思いつきで、そこに石を投げ入れた。すると数秒後、川の中から俺めがけて石が投げつけられた。  石は頬に当たり、小さな傷ができた。  何が起きたのか判らず、茫然と川を見続ける。  投石で乱れた水面はやがて静まって、もう一度、多少揺れながらもそこに自分の姿が映った。  揺れているから他人のように見える映し出された面影。でもそこに映る顔の傷は、俺とは違う位置だった。  俺が川を覗いているように、川の中にもこちらを覗いている誰かがいるらしい。  自分の影だと疑いもせず、石を投げたりして悪かったよごめん。 水面の自分…完
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