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真っ赤なトマト
「マンションの住人に事情を話したんですが、理解なんかしてくれないでしょう?だから今日は、としゑさんにお願いがあって来ました。」
困った婆さんのままでは、終わらないとしゑさんの事、最悪になる前にお伺いに行った方がいいと、シェルターの団体からも教えられて区役所の生活科職員が、としゑさん側の苦情処理にやって来た。
「マンションの中に日本語学校が有るのが不都合なら、売って出て行けば良いんだよ!ちゃんと認知症の前に話し合う事は、息子夫婦が居るんだから出来た!シェルターは、徳島さんの孫が立ち上げたんだし、親が知らなかったじゃ無いでしょう?屋上緑化で、菜園を作って居たんだけど…徳島さんが認知症になって忘れてしまったんだ。自宅も壊されて無くて変だねって話してた最中だったの!」
日本語学校側だって怪しいが別件で…埃は出そうだから、まずシェルター側の依頼からだけど話が早すぎません?
「せっかく借金までして日本に勉強しに来てくれたのに、このまま不法滞在で、強制送還はあんまりですよね?としゑさんもそう思いますよね?だから、何とか知恵を貸して欲しいんです。」
おばあちゃんと言うのはNGだと、直感が教えた。それがまたへそを曲げる原因だったりするのかな?としゑさんは、怒って話さなくなった?と思ったら?鼾が…聞こえている。
「ずっと頭を使っていたから、疲れて寝ちゃったんです…暫く爆睡していると思いますけど…トム君、大丈夫だったんでしょうか?わざと教えないわけではありませんよね?聞かないと寝つき悪いんだから教えた方がいいと思いますけど?」
妖怪の取説に馴れたヘルパーさんがおろおろする新人の前でそう話してくれた。気になって休めなかったらしい…。
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