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「ゆーじ……」
遥さんの甘く掠れた声に我に返った。
「起きました?水、飲みます?」
「ん……」
ペットボトルの蓋を開けて、遥さんを起こそうとすると小さく首が振られた。
「起きれない……飲ませて」
唾液を飲み込む音がやけに大きく耳に届いた。
口に水を含み近づく俺を、遥さんが手を伸ばし引き寄せる。
合わせた唇の隙間から少しずつ遥さんの口の中へ落とす水。
小さく上下する喉仏がいやに艶めいて見えた。
「もっと…」
そう言って俺の濡れた唇を舐め、遥さんが強請る。
「キス?水?どっちですか」
「どっちも…」
もう一度ペットボトルを煽り、口の中にさっきよりも含んだ水を、熱い唇に触れ舌先で隙間を作り口の中に落とした。
「ん…ぅ」
飲みきれず顎を伝う水を舐め、その舌を遥さんの口の中に戻す。
舌全体をくっつけるように重ね絡め、誘うように吸うと、遥さんの手が俺の襟足の髪を掴んだ。
「バカ……勃っちゃうだろ」
「もっとって言ったのは遥さんでしょ」
「そうだけど…」
口元を拭う手首を捕まえもう一度重ねた唇は僅かな抵抗もなく、素直に甘えるように俺の下唇を食み、笑みの形になったままちゅと音を立てた後ゆっくりと離れた。
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