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昨夜寝落ちしたおれの身体はやっぱり綺麗にされていて、もう何度もされていることだが、確認するために入れた指に治の指を思い出す。
風呂を出てリビングに向かう。
おれが濡らした床は綺麗に拭かれていた。
「長い風呂だったな。逆上せてないか?」
「お前が短すぎるんだよ」
目にかかる濡れた髪を後ろに流した指が項に回り引き寄せる。
コーヒーの香りがするキスは朝に似つかわしくない濃厚なやつ。
「……こら」
「たまには誘われてみたいんだが」
「昨夜の今朝で勃起すんのか?」
「当たり前だろ」
腰を引き寄せられ感じる硬い感触に思わず笑ってしまった。
「マジか」
「明日も休みだろ?」
耳に囁く声はわざとらしいほどにおれの好きな低く甘い声。
「………バレンタインだし、勃ったもんは出さねーとな」
「出来た恋人で」
「まぁな」
さっきまで起き上がれずに寝ていた寝室に二人で舞い戻る。
皺くちゃだったシーツは交換され、ホテルのように整えられたベッドに治を押し倒した。
ガラス玉の青い目の主をベッドの下に寝かせてからまだコーヒーの香りの残る口に舌を割り込ませた。
昨夜言ってたサービスをしてやるよ。
お前好みに仕込まれたテクでたっぷりとな。
そう言ってやると、スパダリはいつもの顔を崩して笑いながら楽しみだな、と言った。
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