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大学までは自分に合う人間とだけ付き合って、合わない人間とは離れてしまえば良かった。実際に、薙野はそうやって生きてきた。
けれど社会人ともなれば違う。
好きであろうが嫌いであろうが、そんなことはおかまいなしに人間関係を作らねばならない。
自分は正直であるだけなのだ。
しかし、そうやっていくら自己弁護したところで、仕事の成績が悪化することは止められるはずもなく、そして薙野にはいつしか不出来のレッテルが貼られていたのだった。
上司との折り合いがつかないのだ。
手柄は認められず、失敗ばかりを押し付けられる。
営業先からもクレームを貰ってばかりだ。
朝早くから夜遅くまで、こんなに必死で仕事をしているのに……。
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