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6
「どういう、こと?」
「そのビー玉はね」
不思議がっている結奈に、玲子が説明する。
「赤い糸が見えるのよ」
「赤い糸? 右手の小指についてるあれが?」
「そう」
結奈はビー玉を目に当てて、自分の右手を見た。しかし、そこにはなにもない。
「残念だけど、見れるのは他人の糸だけよ」
「そう、なんですか……。あの、結ばれたってことは、運命の出会いが成就したってことですか?」
結奈は尋ねながら、ビー玉を玲子に返す。
「そういうことになるわね」
「じゃあ、こんがらがっているのは?」
「縁が絡み合っている。それは浮気や不倫をしている証拠」
結奈はうわぁっと表情を歪める。
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