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じいちゃんがいつも燃やすときに使っているチャッカマンを物置から持ってきて、元鶏小屋の場所で火をつけた。
ちょうど拳銃を突き付けるみたいに、赤いやつに向かってチャッカマンを持った左手を伸ばす。
火は近くの柵に燃え移ることもなく、ただ赤いやつだけを包んだ。
腐った肉が焼けるような臭いが一瞬強くなったかと思ったら赤いやつはだんだんと縮んでいった。
最後に赤いやつは、煙をたっぷり吸いこんだ汚らしい音を出して消えた。
ミエテルクセニ。
そう聞こえた。
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