もえぞこない

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 翌朝起きると、赤いやつはさらに大きくなっていた。  昨日までは少しずつ移動はしていたものの丸っぽい形だったのに、今朝は打って変わって人型にまで変化している。左はもうほとんど塞がれている。臭いも昨日の倍以上増していて、テーブルの上に並んでいる朝ご飯は食べられなかった。じいちゃんに相談したかったけど、もう畑に出かけてしまったようだ。  諦めて、支度をして学校へ向かった。  国語の授業はよかったけど、数学の黒板は左からで全く見ることが出来なかった。とりあえず教科書を見ていると、最悪なことに当てられた。よりにもよって教科書の例文じゃなくて、それを応用したオリジナルだった。  諦めて、少しだけ左側の黒板を見る。赤いやつがすけて、昨日燃やしたばかりのプリクラのどろどろの顔がこっちを見て笑っていた。 「ヤマカミさん、どうしたの気分悪いの?」  思わず口元を押さえた私に数学の教師は訝しげな表情をしていた。 「すみません、保健室行きます」  立ち上がった拍子に消しゴムが落ちた。隣の男の子が拾ってくれたけど左だったから。諦めてそのまま保健室へと向かった。拾ってくれた男の子のなんなんだよという舌打ちと、赤いやつに取り込まれたプリクラの友達だった子たちのクスクス笑う声が聞こえた。
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