大嫌いな父

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私の名前は『彩美(あやみ)』、高校3年生に進級した私は、そろそろ高校卒業後の進路について真剣に考えなければならない時期だと感じていた。 私の家族は、父、母、姉、私の4人家族で、父は建設関係の会社に勤める会社員、母はデパートの食品売り場でパートの仕事をしている。 姉の『澄玲(すみれ)』は福祉医療系の4年制大学の2年生で、看護師を目指して頑張っている。 私が小学生の頃、父はよくお酒に酔って私に絡んできて、お酒臭い父に絡まれるのはうっとおしくて嫌だった。 私が中学校に入っても父は、会社から家に帰ると靴下をその辺に脱ぎ散らかしたり、風呂上がりにビールを飲んで裸のままソファーで寝てしまったりと、相変わらずだらしなかった。 私が高校に入ると父はよく私の部屋にノックもせずに突然入ってきて、 「友達とは仲良くしているのか?」 とか、 「いじめられてないか?」 と聞いてきて私が、 「大丈夫だよ!」 と答えると、 「そうか!」 と言って部屋を出て行った。 全くと言っていいほど、父にはデリカシーのかけらもなかった。
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