03:甘くとろける濃密な時間

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03:甘くとろける濃密な時間

***  広い部屋に鎮座するダブルベッドの脇のチェアに足を組んだ広海は、服を一枚ずつ脱いでいく由雄をじっと見つめている。  バカっぽくて似合ってると評判のバナナ柄のアロハシャツは自分でもお気に入りだけれど、この空間には不釣り合いで、おちゃらけている普段の自分を脱ぎ捨てるような感覚になる。これから始まるのは妖艶な大人の時間で、広海が主導権を握っているのだ。  足元には脱いだアロハシャツ、インナーのTシャツ、そしてハーフパンツが落とされた形のまま、残されている。黒のボクサーパンツ一枚になって、由雄はその手を止めた。 「それは脱がないのか?」 「えっと……さっきも言ったけど、その、今、つるつるで…丸見えなのが恥ずかしいっていうか」 「いつも見られてるのに?」  甘さを帯びた広海の低い声に由雄の胸がキュッと締め付けられる。いつも、あの声が由雄の耳元でいやらしいことをたくさん囁く。それは由雄の耳が一番覚えているのだ。 「由雄、自分で自分の胸を触ってごらん。いつもみたいに気持ちよくなるようにね」  由雄は言われるがままに、ボクサーパンツにかけていた両手を自分の胸の尖りに向かわせ、そっと人差し指で触れる。部屋がクーラーで冷えていたせいか、それともこれからの時間の期待のせいか、ツンと尖っていて、指が触れると身体がビクリと反応した。 「あ……っ」 「由雄は自分では優しく触るくせに、俺に強く摘まれると気持ちよさそうな顔をするよね。なんで?」 「そ、れは……びっくりするからっていうか……」  広海に言われ、自分でも親指と人差し指で尖りを摘んでみるが、感触はあっても声をあげるほどの快楽はない。
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