04:恋人ができました???

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04:恋人ができました???

◇◇◇  クーラーの風が身体に直接あたり、汗が冷えていく感触で由雄は目を覚ました。ぱちっ、と目を見開き、まだ部屋が夜であることに安堵する。同時に隣にあったはずのぬくもりが消えていることに気づき、体を起こすと、視線の先に広海がバスローブを羽織った姿で椅子に座っていて煙草を吸っていた。 「起こしたか?」  由雄の視線に気づいたのか、広海が声をかけてくる。 「ううん。ねぇ、俺、どれくらい寝てた?」 「30分くらいかな」 「そっか」  思ったよりも時間が経っていないことに安心し、由雄は再びぽすん、と枕に顔を埋めたる。過去、セックスのあと眠ってしまい、その日に会ったばかりのセフレに持ち金を全部持っていかれたことがあり、桃子から「セフレとするときは寝落ちするな」ときつく言われている。  あれから何度もイカされ、意識を手放すたびに広海のキスで起こされる、を繰り返した。体が睡眠を求めても仕方がないだろう。   「もちろん君の財布には手を出してないよ?」 「わかってるよ!」  この話を知っている広海は豪快に笑った。もちろん、広海に対してそんな警戒をしているわけではないが、セックス後には寝落ちしないように用心するのが癖になっているだけだ。そもそも見るからに富裕層である広海がそのへんの高校生よりも所持金の少ない由雄の財布を狙うとは思えない。 「ああ、でもかわいい寝顔は盗み見たかも?」 「か、かわいくねーよ!」  広海がさらりと吐く甘い台詞があまりにも恥ずかしくて、やんわりと否定する。自分の体が小柄なことに加え、我が息子も含めあらゆるパーツが小さいことは自覚しているが、面と向かって「かわいい」と言われても嬉しくない。許すのは、セックスの最中だけだ。そのときだけは、広海の甘く低い声で、かわいいでもなんでも、もっと言われたいとさえ思ってしまう。
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