大竹雅哉の2つの秘密

1/1
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

大竹雅哉の2つの秘密

 僕にも淳子と同様、学校で誰にも話していない秘密が2つある。  一つは、僕と淳子が幼馴染であるという事。  なぜ秘密にするかと言われれば答えは単純で、僕のような人間と接点があること自体が淳子の汚点になるからだ。それだけは避けたい。もちろん好きだなんて誰にも言えないし、言うつもりもない。  淳子も気を使ってか、学校では程よく距離を取ってくれている。  もう一つは、毎週水曜に淳子と話をするのがお決まりになっている事だ。  淳子のファミレスのバイトが終わった後の21時半に公園で待ち合わせをし、少し雑談をしてから帰宅する。  現在、淳子はおじさんの家にお世話になっているのだが、おじさんは清掃業の夜勤で夜は家にいない。結構、自由に過ごしているようだった。  かれこれ中学時代のから続く決まり事だったが、高校生になっても時間が変更されただけで終わる事はなかった。    僕と淳子だけの時間は、僕と淳子だけが知っていれば良い。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!