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詳細が決まったら連絡するねと言って小林さんが立ち去る。
頼む、小林さん。彼女をしっかりとカラオケに連れてきてほしい・・・と強く思ったけど、曖昧に笑って頷いた。
「カラオケかー何歌おうかなー」
田中が隣で欠伸をしながら言う。やる気があるのかないのかよく分からない感じだ。
「普段田中って何聞いてんの?」
「うーん・・・ジャズとか?」
「ジャズ?」
意外な単語が出てきた。思わず聞き返す。田中とジャスが結びつかなくて笑うよりも先に口をあんぐり開けて静止した。
「・・・もちろんカラオケ行くときは、ちゃんと何か分かりやすい歌を歌うけど」
そんなオレの気持ちを知ってか知らぬか田中がボソッと呟いた。
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