第1章 ルドルフの野望

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入り口は見つからなかったが入れそうな穴は見つけた。 「ここから入れそうね。」 子供が遊ぶのか入り口は子供なりの整備がされていた。それならいきなり滑り落ちることはないだろう…。 「わーーーわーわーわーー!!」 ほんのちょっと滑った。しかし、何かに当たって止まった。手に取ると何かの骨だった。それ以外は順調に下に降りた。 「意外と明るいね。」 地下に来ているはずだが地面の修復が簡易的なので空からの光で明るい。メリルは首を傾げている…なぜなら人造魔法兵器の視界には同じに見えている。 「足元をよく見るとモンスターの骨が沢山あるな。」 パキッ!ほんの小さな音だったが地上とは違い地下は静かだったので音が響いた。モンスターは辺りに居なさそうだ。 「幽霊なんだから音なんてしないだろ。」 「!!!」 バキンッ!死臭のするモンスターが動いた。目には光が宿っていない…ゾンビ!?起き上がってきているが体の動きが尋常じゃない!首もあらぬ方向に曲がっている…後ろに反ったままになっている。 「ガァォァァォ!!」 目の前のモンスターからの声?ではない!痩せこけたモンスターが後ろから現れた。よだれを垂らして飢えている。 「レッドボア!!」 栄養不足なのか毛色がくすんで赤には見えないが、紛れもなくレッドボア!もともと毛の色が赤だったわけではない、寄生虫が体の血を吸い吸いきれなかった血が毛を染める。 キシンッ!二本の鋭いツノはまっすぐにヴィネッタを狙う。直進してきただけのレッドボアはブルームがはじき返し。 勢いがつき過ぎて盛り上がった骨にぶつかった。しかし、勢いは止まらない。足を回転させて骨を弾き飛ばし走ってくる。 「ファイアーボール!」 ヴィネッタは突進してくるだけのレッドボアに何度も唱えたが当たらない。ただ直進しているかのように見えて左右に動いている。 バキバキッと骨を踏み潰しながらレッドボアは加速度を増す。
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