第1章 ルドルフの野望

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「ミノタウロス!…石像だね。」 見えているが薄暗い。ピキッ…動いた?錯覚ではない。バキーーン!侵入者を排除するために動き出した。 「「ギィァォォォォォ!!」」 大きさは3メートルぐらいでモンスターとしては決して大きいわけではないが歴戦の強者の威圧感がある…それもそうだろう彼らはここを守ってきた。 「よしっ!」 ブルームはシルバーソードを構える。ミノタウロスは斧を構えている…前の剣なら一太刀で折られてしまうだろう。だが今はそうではない。 ダッ!間合いを詰める…剣と斧で打ち合っても勝ち目はない。しかし、斧には先端しか刃が付いていない。ガキンッ!斧を回す、速度はブルームの剣速を超えているかもしれない。 「うっ!」 「ふしゅーーぅぅ。」 ミノタウロスの斧が当たって逆回転に勢いがつく…利き回転ではないがそれ以上に回転力がついている。 「ガァォァォァォォァォォ!!!」 切り落とせなかったが右手の甲に刃が突き刺さる。赤いが人のそれよりも赤黒い血が飛沫をあげる。 ミノタウロスは怯まない。突き刺さったシルバーソードをさらに深く突き刺しブルームの攻撃を防ぎつつ距離を詰める。重そうな斧を左手だけで振り回す。ガザンッ!地面に突き刺さる。 「うっ!」 間一髪のところで後ろに飛びかわす。ブルームの動きが軽くなった。なぜならシルバーソードはミノタウロスに刺さったまま。 「…うわうわうわ!!」
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