第1章 ルドルフの野望

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ミノタウロスがドドド!と足音を立てながら走ってくる。武器を持たないブルームは避けるしかない。 ドガガガガガ!!斧がブルームを襲うが避けるだけなら当たることはほぼない。ドン!後ろには壁がある…後ろには避けられない。 「うっ…。」 横に飛んでも避けられない…水平に斬りにきた!ミノタウロスもこれで決めにきたのか、それまでとは速度が違う。 「モンスターも笑うんだな。」 ブルームは諦めたのか?目を瞑る…しかし、次に目を開けた瞬間の眼力は半端ない!ブフォォン!斧から放たれた轟音が耳に届く。ストン…ほんの小さな音がブルームから出る。 「ゔゔゔおおおおおぉぉぉ!!!!」 ブルームは壁を蹴りミノタウロスとの距離を詰める。逃げてだめなら何とやら…。 「…うっ!」 完全に避けられなかったが致命傷は防いだ。だが、足に傷を負った。ブルームのミノタウロスのスタミナを消耗させる計画は泡と消えた。 「シルバーソードはミノタウロスにくっついているしな。」 ズル…。あれっ?思った以上に斧に乗るのは難しい、滑る。 「こんなところで滑って終わってたまるか!俺の足はこんなところで滑らない!」 足がミノタウロスの腕に到達する。反対側の手にシルバーソードが突き刺さっている。トンタン!軽やかに右手に来る。 「あれっ?」 ミノタウロスが激しく動いていたので、都合がいいことにシルバーソードがぐらついている。ご都合主義! 「ガゥゥァァァア!」 シルバーソードを抜いて、固まりかけた血だったのが体内から鮮血が飛び散る。振り上げたシルバーソードで天高く血が舞う。それだけでは終わらない。スピーン!血で汚れているが斬れ味は落ちていない、ミノタウロスの頸動脈を一閃…ビシャー!ブルームが赤に染まるほど血が吹き出す。
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