第1章 ルドルフの野望

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ぐらっ…ミノタウロスにきている。動きが止まったところでもう一撃。首元に力一杯シルバーソードを突き刺す、神経が傷つく。ガクッとミノタウロスはわずかな意識で片膝をつく…そのまま片膝をついた状態で白目をむいて動かなくなった。 「うー。」 バタッ…後ろに倒れこむ。頭から落ちたが少し痛かったが別段取り立てるほどではない。もう一体のミノタウロスが燃えている。 このミノタウロスが持っているのは斧ではなく大きな棍棒を持っている。その目は弱そうなヴィネッタを捉えている。 「ファイアーボルト!」 鋭い炎の矢はミノタウロスに一直線に飛んでいる。到底ミノタウロスの重そうな棍棒で防げる数ではない。しかし、数を増やした分威力は弱い。バブワサッ!クワンッ!当たったが…ミノタウロスの皮膚は予想以上に硬く、気にもしない。 シューー!バンッ!当たってもダメージはないが顔の近くで当たり煙が出たことでミノタウロスの視界が一瞬遮られる。 その一瞬を見逃さない…メリルの拳が当たった。しかし、ほんの僅かに速度が足りなかった…拳が当たったのは棍棒。最大火力を使えば至近距離なので倒せるかもしれない…だけど、たった一度だけしか使えない。棍棒がどれほどの盾になるのかまだ計り知れない。 「…使えない。」 「うわぉぉぉぉ!!」 至近距離はメリルの攻撃範囲であると同時にミノタウロスの得意な距離でもある。ドンッ!助走はなかったがそれでも吹き飛ばすには十分な力。 ヴィネッタが当たったら一撃で気絶しそうなミノタウロスの力に少し距離を置く。 「隙がありそうでない。どこかで弱点がないかな?」
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