第1章 ルドルフの野望

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メリルはミノタウロスに刺さったツノを力強く殴る。しかし、殴ったのはメリルだけではない…ミノタウロスのカウンターがメリルに直撃する。 「……ぶっ!」 メリルの顔が潰される。殴られたことでメリルの人ならざる人造魔法兵器の顔を覗かす。ミノタウロスとメリルでは手数は圧倒的に少ないがメリルの傷は大きい。 ミノタウロスの本能がメリルは起動不能と判断した。メリルには見向きもせずヴィネッタに走ってくる。ダダダダダダ…!! 「ボォッ!!」 お腹に力を入れてヴィネッタを潰しにくる。 「ファイアーボール!」 ズドン!! 「…。」 ファイアーボールで視界が悪くなっていたがヴィネッタの位置は把握している…。棍棒を中心に振動が伝わる。 「うっぷ!」 なんとかかわせたが衝撃で吹き飛ばされた。ヴィネッタは床の瓦礫で頭を切ってしまい、痛みで意識を失いそうになる。痛みよりも気持ち悪さが勝つ。 その間に映るのは炎?ミノタウロスが燃えている!?そんなはずは…ない。 ドサッ!ミノタウロスとは違う方向で倒れる音がする。振り向くとメリルがボロボロになって倒れている。特に酷い右手は壊れている…動きそうもないというか原形がない。 「…動けない。」 顔が地面についたまま一点を見つめている。ジジジ…足に力を入れて壁に向かう。壁に着いたら足と壁を使いゆっくりと立つ。 「ヴォォォォーーー…。」 ミノタウロスの断末魔が部屋に響く。あまりの大きさの断末魔にヴィネッタたちは耳を塞ぐ。
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