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話の最中なら当たるかと思いファイアーボールを放ったがひらりとかわす…強いのかもしれない。
「おっとっと!待ってくれ待ってくれ争う気はない!」
大きく息を吸って確かめる。
「そうだこの匂い…魔王の匂いがする。」
「…!?」
だけど不服そうな顔をしている。それはヴィネッタもわかっている魔王の記憶があろうとも、使える魔力が伴っていない。
「こんなちんちくりんでは四天王を殺さない。次の魔王候補のゴーリラ様の手下にも劣る。がっはっはっはっ!!」
何を言っているかはわからなかったが、わかったことは幽霊を餌におびき寄せられたこと…。
「配水管の通り損…。」
小さなポンッ!という音とともに2人が消えた。ぼろぼろのヴィネッタたちは命拾いをした。
屋根の上には2人とは違うもう1つの影がある。その3つの姿は誰にも気づかれることなく消えた。
クレアは安心したのか上から降りてきた。
「クエスト完了!
歩みが遅いが地上の光が見えてきた。地下は松明で明るかったが光が眩しい。
「…眩しい。」
ズザザズザ…地上が慌ただしいのか埃が落ちてくる。眩しかった目が慣れたことにより目の前にいたのがただの街の住人ではないことに気づく。
「ヴィネッタを捕らえろ!!」
何かしたわけではない…はずだが。槍の先端はヴィネッタの顔の先から微動だにしない。さらに辺りを見渡すと50人はいる…逃げるのは不可能。
「………。」
薄らと笑い声が聞こえる。
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