第1章 ルドルフの野望

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ブルームは一つの剣を眺めて目をキラキラさせている。 「こっこれは!?シルバーソード!手持ちのロングソードとは格段の差がある。それがこの値段!」 「こいつは今が買い時だと思うぜ!型落ちだが斬れ味はほぼほぼ変わらない。こっちとしても売れ残っているから格安でいいぜ。」 しかし、手持ちからすると少し足りない。そのことをブルームはまだ知らない。 「…いい。」 目を輝かせているブルームを1人残し武器屋と交渉してなんとか買うことができた。 外に出るとこのシルバーソードが自分のものになったことにさらにニヤケ顔が止まらない。目の前に光り輝くシルバーソード…角度を変えて眺める。 「これでギルガメッシュにも…。」 「それは無理でしょ!」 ダッ!こちらに向かって逃げてきている人がいる。足取りは軽く一見したら盗賊の類なのではないかと思うほど…。 手に持っているのは見たことのないような宝石がついたネックレスに指輪。それを持っているのが女性ならば逃げてきたのではないかと思わなくもないが、こちらに走ってきているのは手に持っている貴金属に似合わない小太りのおじさん。 「うわちゃーーーー!!」 道に落ちていた誰かの靴を飛び越えてそのまま走るかと思われたが壁にぶち当たったかのように止まる。 顔にくぼみが出来ている。メリルが顔面に1発殴ったようだ。気合いでくぼみを戻そうとしているがうまくいかない。 「何すっだー!」 「盗みよくない。」 「これはわっちのだ!盗んでねえ!」 ヴィネッタは嘘をついているのか確かめようと見ているが…やはり盗んだように見える。 「おっとこんなとこで止まらねえ!」 小太りのおじさんは走り去ろうとしたがメリルが首を優しく握りつぶしている。 「ぼげぼたがはなかどはにみ…。」 向こうの方から追っ手と思われる人たちが走ってきた。その形相は恐ろしい。 「こっちが盗賊?」 「…はぁはぁはぁ。ルドルフさんこれは何か意味があるんですか?」 「ばねでにかさぬけねはなひべば…ごほごほっ!」 死にかけたルドルフの顔は赤い。
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