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「言っただろ!!」
ルドルフはそらみたことかと怒っている。ところがこちらからすればルドルフの素性はわかっていない…怪しい。
「わっちはフリーの賞金稼ぎでい!街をめぐり各地でクエストをこなしている。」
「それでこれは?」
「…これは…へへっ…。」
どーん!と手を広げて後ろから来た者たちを示している。
「…?」
「彼らを人だと思っているようだが、それは違うのだ!彼らはわっちの召喚術で呼んだゾンビなんだぜい!」
「召喚士…?全然見えない。」
「なんと!このネックレスはその媒体なんだぜ!」
「待てこらっ!!盗んだものを返せ!」
「そのネックレスと指輪を盗んだの?」
「仕方ねえぜ。媒体がなければ召喚士としてクエスト出来ねえじゃねえか!」
追ってきたのは冒険者らしき姿をしている。そこには明らかに魔法の類を使いそうな者も混ざっている…だけど魔法を使うそぶりはない。
「あっ!やっべ!!」
逃げようと足を回転させているが、どうにも空回りして一歩も前に進んでいない。
「そこにいたか!盗んだネックレスと指輪を返せ!!」
じたばたしてメリルの手を離さそうとするが離れる気配はない。
「盗みよくない。」
「はぁはぁはぁ…。追い…追い…ついた。」
ぶべっ!唐突にルドルフは殴られて指輪とネックレスは元の持ち主に戻った。当然のことながら召喚したゾンビは姿を消した。
「どうしてくれるんだ!仕事で…ぐべっ!びべだぢでろろ!」
「よくない…。」
ルドルフは道路の真ん中に赤ちゃんみたいにぽてんと座った。
「いいことしたな。」
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