第1章 ルドルフの野望

7/21
前へ
/36ページ
次へ
木の上の方に獣の爪痕がある。風で葉が揺れているが爪痕の正体はわからない。だけど、爪痕はまだ新しい。ガサゴソ…葉音? 「あんさんたち…出ない方がいいと思うよ。あの爪痕はグランラビット…森の暴れん坊と呼ばれている。」 周りを気にしながらゆっくり歩く。ザザザ…森を走る集団がいる、グランラビットを追っている?ドンッ!ライフルの音がする。 「あれは違うな。だがご馳走だ!」 「わしの七十肩の腕がなる。」 「……。」 お爺さんが3人がヴィネッタたちの横を通り過ぎる。1人が無言で片膝をつき構えた瞬間に1発ドンッ!と音がする。先ほどとは違い獲物に当たった音しかしない。 「……。」 静かに口元が緩む。 「グランラビットではなかったが…そういえば追っている時に誰かいたが気付いたか?」 「冒険者じゃろ。」 「それなら心配することもないな…帰るか。」 お爺さんたちは街に帰っていった。目的地が同じだろうと思ったので後ろからついて行った…予想通り目的の街のエルムに着いた。 「想像とは違うな。」 幽霊が出る廃墟の街はそこにはない。それならばと幽霊の噂がないかと歩き回って、人に話を聞いたがそれらしい話は聞けなかった。 「本当?」 「だと思うけど…。」 知ったことといえばあの3人の老人の名前がアン、ポン、タンということだった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加