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木の上の方に獣の爪痕がある。風で葉が揺れているが爪痕の正体はわからない。だけど、爪痕はまだ新しい。ガサゴソ…葉音?
「あんさんたち…出ない方がいいと思うよ。あの爪痕はグランラビット…森の暴れん坊と呼ばれている。」
周りを気にしながらゆっくり歩く。ザザザ…森を走る集団がいる、グランラビットを追っている?ドンッ!ライフルの音がする。
「あれは違うな。だがご馳走だ!」
「わしの七十肩の腕がなる。」
「……。」
お爺さんが3人がヴィネッタたちの横を通り過ぎる。1人が無言で片膝をつき構えた瞬間に1発ドンッ!と音がする。先ほどとは違い獲物に当たった音しかしない。
「……。」
静かに口元が緩む。
「グランラビットではなかったが…そういえば追っている時に誰かいたが気付いたか?」
「冒険者じゃろ。」
「それなら心配することもないな…帰るか。」
お爺さんたちは街に帰っていった。目的地が同じだろうと思ったので後ろからついて行った…予想通り目的の街のエルムに着いた。
「想像とは違うな。」
幽霊が出る廃墟の街はそこにはない。それならばと幽霊の噂がないかと歩き回って、人に話を聞いたがそれらしい話は聞けなかった。
「本当?」
「だと思うけど…。」
知ったことといえばあの3人の老人の名前がアン、ポン、タンということだった。
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