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 その日の営業先は、地元で一番大きな総合病院だった。  長期入院患者が多く、特に娯楽に乏しくなる小児病棟患者には難しくない僕らのような芸こそが重宝される。  開演時刻となり、僕らは病院の中庭で芸を始めた。  まずは琴胡がアコーディオンで子供たちに大人気の国民的アニメのテーマ曲を弾きながら、無数のシャボン玉を飛ばす。  病棟までの距離があるとはいえ、病院という性質上音量は抑えめだが、子供たちは目を輝かせている。  僕が少しずつカラフルなシャボン玉を混ぜていき、曲がクライマックスになるタイミングに合わせてそのアニメのキャラクターの色の大きなシャボン玉を飛ばすと、子供たちは驚きと歓声をもって立ち上がった。
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