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森のあちこちを見て回った後、あたしは渓流の源泉の近く、小さな崖の下にわずかな平地がある場所を住処に決めた。崖の窪みを掘りこんで、雨風をしのげる横穴にし、辺りで摘んだ羊歯の葉を敷き詰める。穴の前に石を積んで火を焚くための竈を作った。
次の日から狩りを始めた。最初の獲物は成獣になったばかりの若い猪だった。ぬた場で泥浴びをしているところへ風下から近づき毒矢を打ち込む。矢は首筋に命中した。
毒はすぐに回り、倒れて痙攣している猪に近づき、山刀で喉を切ってとどめを刺した。血を全部抜いてから住処に持って帰る。干し肉にするための解体に集中していた時、予期せぬ来訪を受けた。
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