34章 朝の侵入者

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34章 朝の侵入者

 寝返りを打つと同時に目が覚めた。今何時だろう?  時計を見ると起床時間にはまだ早い。  起き上がろうとして下腹部に鈍痛を感じた。一気に目が覚める。 「私、想地と……」  見れば裸のまま。慌てて布団で胸元を隠した。  想地は……隣にいない。そうだ夜中に部屋へ戻ると言っていた。  そっと布団を外して自分の身体を見てみる。  胸に、下腹部に、想地が付けた跡がいくつもあった。 「付けちゃ嫌だって言ったのに……」  自分の跡を残したいと言って、どうしても聞き入れてもらえなかった。  そっと胸のついた跡に触れてみる。ここに想地がキスをしたんだよね。  優しいようで激しく抱かれた。想地らしいと言えば想地らしいんだけど。 「想地の顔が見たい」  その時そーっと部屋のドアが開いた。  そう言えば想地に、部屋の鍵を掛けておくよう言われていたのに忘れていた。  顔を覗かせた侵入者とバッチリ目が合う。
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