34章 朝の侵入者

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「あれ? 姉ちゃん起きていたの」 「起きていた。で、星空はノックもせず朝早くに何をしているのかな?」  軽く睨み付けながら訊いてみる。 「えっとこれはその」  星空は目を泳がせながら言い訳を考えているようだ。  想地が部屋に鍵をかけるように言ったのはこのためだったのね。  こんな姿を星空に見られたら……  血の気がさーっと引いていくのが分かった。慌てて布団を首元まで上げようとしたが、 「ああ~っ!!」  星空が私を指し目を丸くした。  遅かった。両肩が丸見え状態だ。 「何で姉ちゃん裸なの!?」 「これはその」  今度は私の目が泳いでしまう。  どうしよう。何と言って誤魔化そうか。  焦れば焦るほど上手い言い訳が思いつかない。
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