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「想兄大変だ!!」
部屋のドアをノックもせずに勢いよく開けて入る。
しかし想兄はピクリとも動かない。
「想兄起きて、事件なんだよ」
揺り起こしても起きる気配がないので布団をめくってみた。
「うわぁ~!?」
オレは後ろに飛び退いた拍子に尻餅をついてしまう。そしてそのまま動けなくなってしまった。
「……」
布団から目だけが出ている想兄の顔が怖い。目が怖い。男版ゴルゴンだ!
目だけで動きを封じられてしまった。
姉ちゃんの件で動揺していたせいで忘れていた。
想兄は寝起きが超絶最悪だ。本人もそれが分かっているから、姉ちゃんが起きる一時間前に目覚ましをセットしている。
しばらくボーっとしてから、いつもの菩薩顔で起きてくるのだ。
だがひるんでいる場合ではない。
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