ひんやり店員

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夏休み、気温は30度を超え僕はコンビニにふらふらと入った。 コンビニは冷房が効いていて涼しかった。僕は70円のアイスキャンデーをとってレジに向かった。 僕はレジにアイスと70円を置いた。店員はお金をレジに入れると、アイスを開けてうなじに当てた。 「あー、ひんやりする」店員は気持ちよさそうに言った。 「何してるんですか」 「あー、ごめん。ひんやりしてた」店員は僕にアイスを渡しながら言った。 「あの、やっぱいいです」 「あそ、バイバイ」店員はアイスを食べながら言った。 「いや、お金返してもらっていいですか」 「だめ」店員はしれっと言った。 「お金返してください」 「それよりさ、アイス当たりでたけどいる?」そう言って店員は僕がいらないと言ったアイスの棒を見せた。 他人が食べたアイスの棒を受け取るのは気が引けたが、持ち手側の端の方を持って受け取った。僕は同じアイスをもう一本取って当たり棒と一緒に店員に渡した。 「うちそういうのやってないよ」店員が言った。 「そういうの?」 「当たり棒の交換」 「なぜ?」 「利益が落ちるからね」 「俺の食っといてそれはないでしょう。僕二本分損してるんですよ」 「結果論だろ」 「誰が言ってんだよ」 「まあまあ、落ちついて」僕はそう言われたとき、ブチギレそうになったが、アイスが70円だったことを思い出して怒りを抑えた。 「とにかく冷たいものは買わないほうがいいよ。体に当ててひんやりさせちゃうから」 「攻略法みたいに言わないでくださいよ。あんたがちゃんとすればそれですむんだから」 「うるさい」店員はぴしゃりと言った。 僕は舌打ちしたが一切ひるまなかったので、仕方なくレジの真横のケースに入ってるチキンを頼んだ。店員はケースを開けてチキンを取ると、それをコーヒーマシンにセットし、アイスコーヒーのボタンを押した。コーヒーが出きるとチキンはコーヒーでひたひたになり、店員はそれを脇に挟んだ。 「あー、ひんやりする」店員はまたもや気持ちよさそうに言った。「残念だったね」 「これ、誰に言えばいいのかな。店長?警察?」 「精神的にひんやりさせるのはやめてくれ」
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