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いつものように今日も彼女と遊んでいた夕暮れ時。
河原でいつものように他愛のない時を過ごす。
今日も彼女は大好きな花、真っ赤な色の花の前でしゃがみ込んでニコニコと眺めていた。
この花が咲き始めたのは大体1週間ぐらい前からで、今は河原の至る所で咲き乱れている。
きっともう数日後には枯れていくのだろう。
ふと、赤い花を1輪手折って彼女に差し出す。
花を受け取ると彼女は、
「ありがとう」
と、柔らかに微笑んだ。
夏も終わった秋の夕暮れ、焼けてはち切れるような茜色に染まった世界。
とても綺麗で絵になる彼女。
大好きな彼女と僕の2人だけの世界。
あぁ、この時間が永遠に続けばいいのにな。
「どうしたの……?」
その光景に見惚れてた僕に、不安そうな面持ちで彼女が問い掛けてきた。
そんなに変な顔してただろうか……?
よく分からないけど、大丈夫だよ、と言葉を発しようとした、
そう思ったのだ。
視界と彼女の表情が変わる。
手に伝わる肉の弾力とゴリゴリと硬い感触。
歪んでいく彼女の表情。
彼女の手が僕の手に重なって、はっと気づく。
僕は彼女を押し倒し、首を絞めていた。
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