小説を深読みしたら嫌われました

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 私の趣味は、小説投稿サイトに自作小説を投稿することだ。  職業柄だろう。ほかの書き手さんの作品にあって、自分の作品に足りないのは何か? 探しながら読むクセがある。  人気作品の法則を書き出してみることにする。なお、主要登場人物を(以下、主人公)と表記する。  まず、学園モノの場合だ。  主人公が中学生や高校生の場合、帰り支度を終えて、校舎の玄関に行く。  ここまでは日常の光景だ。しかし、靴箱近くに、ほかの生徒はおらず、激しい雨が降っている。  横なぶりが望ましい。  主人公は、予備の折り畳み傘や、レインコートを持っていては、ならない。  ましてや、購買で安い傘を売るなどしていない。学校で傘を貸し出すなど論外である! “不意”に、誰かが主人公に、声をかけて傘を貸してくれるのだ。  貸してくれるのは、名前や顔は知っていても、あまり話したことがない人だ。可能なら、憧れの異性が望ましい。  恋愛要素があれば、日直や委員をするのは、かぎ当番などで、教室で誰かと二人きりになるためだ。  そして、イケメン男性登場人物は、“不意”に二人きりの教室で、女性の頬にキスをする。  キスされた女性は泣いたり、怒ったり、ましてや教師、保護者、友人に相談するなどない。  女子生徒の制服スカートは皺ができて、外側に跳ねる。パンツは絶対見えない。映るのは太ももまでだ。  ベンチなどに座る。急にスカートの裾が長くなったように、膝小僧が見える。  まるで、二着以上のスカートを、状況によって読者が見てないところで、履きかえているようだ。  体操服のジャージズボンは、女子生徒については、捲り上げてくるぶしを見せるためにある。  男子高校生や中学生は、異性と一緒にいて、やーらしいこといわれたり、誘惑に近いことをされることも多い。  女の子に興味津々な年頃だが、ズボンの描写は存在しない。体は一切、無反応である。
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