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「もうさ、俺さ、」
えーっと
「恋人、できたんだよねぇー」
できてないけど。
冷静に自分を突っ込む。
なんか、非現実的だな。
耳元でシャーシャーいってる膜が覆っている。
「え、そうなん?」
普通の声だ。
明日の基礎演習、休講なんだよね。って言った返事みたいな。
「うん。そうなんだ。だからさーぁ、俺、もうやらないね。お前と」
結構あっさりだな。なんて、自分で思ってしまう。全然心臓が動かない。シャワーから出る水が俺を包んで守ってるのかも。
「あ、そっか。うん。分かった。おめでと」
直人は入ってこない。
なんだその返事は。まー良いけど。
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