僕は君の心に寄生したかった

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午前4時、起床。 セットした目覚ましを止めて布団から出る。 洗面台で顔を洗い、歯も磨く。 服は洗濯してればなんでもいいので、清潔感のありそうなものを適当に選んで着る。 昨日コンビニで買ったサンドイッチを口の中に詰め込み、缶コーヒーで流し込んだ。 雑に身なりを整えて車に乗り込む。 そうやって、私の1日は始まる。 午前5時半、職場に到着。 中に入る前に殺菌ルームで汚れや菌を落とす。 更衣室で白い作業服に着替えて、その奥にある殺菌ルームにまた入る。 手を指先から手首までしっかり洗い、その上からゴム手袋をはめて、さらにもう一度手を洗い、廊下を歩いて調理場へ向かう。 調理場にて、あらかじめ用意された食材と栄養価を計算された献立表に倣い調理を開始する。 私が移動するたびに付いて動く監視カメラの存在には、もうずっと前に慣れてしまった。 午前6時、朝食を与える時間だ。 出来立ての朝食をトレイの上に乗せて運ぶ。 廊下でたまにすれ違う職員に軽く会釈をしてひたすら歩く。言葉は交わさない。 私は、廊下の奥の階段の一番下の角を右に2回左に3回もう一度右に1回曲がった所にある鍵のかかった部屋を目指す。 虹彩認証で開いた扉の先には、部屋を仕切るようにして大きなガラスの板があり、そのガラスの奥の空間には、この食事を与えられる存在がいる。 目が3つに腕が5本。 体は熊みたいに大きくて、丸太なような尻尾をいつもユラユラ揺らしている。 私の仕事は、その生き物に食事を食べさせることだ。
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