少女K

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心なしか地面のコンクリートから陽炎がうっすらと浮かんでいるようにすらみえる。ここは例の白鷺学院の屋上、ふと見上げればそこには遮るものも当然なく眩しいほどの日光にじんわりと汗が滲む。連日の記録的猛暑あいまりふわりとした湿気と時折吹く夏風、その鬱陶しいほどの暑さに俺は吐き気催しながらそいつを見る。そいつは一般的な樹脂加工されたフェンス辺り落下防止なのか辺りをとりかこんでいる。「ここにあったフェンス、施工当時1m50センチかぁ。うん私でも越えれそう。」そう言いながら施工記録のコピーを持ち軽くフェンスをよじ登ろうする彼女。燦燦と照りつける日差しとは無縁そうな白い肌に絶妙に肩にかからない黒髪を揺らす彼女 白城雪奈。 雪奈の言っている以前の安全策とやらはあれから1週間過ぎた事もあって今真新しいフェンスにうって変わり高さ2メートル弱だろうか背をのばしても先端に届きそうにない。その原因を作ったのは工藤千尋の転落事故で間違えないだろう。殺風景な屋上を見渡してみる、すると片隅におかれた花束が目に止まる。生憎くわしくない。「これ雪奈が置いたのか、以外と豆なんだな。何て花なんだ」意外にもこうゆう女の子らしい面もあるのか関心していると、遠くから違うと言ってずかずかと雪奈が寄ってくる。「今朝置いたのかな、事故あってからあんまり人こないんだけどね。それにしても珍しい花、キキョウかな確か花言葉なんだったけな。」
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