13人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
その俺の問いかけに、「もう焦らないでがっつく男はモテないぞ、、。」と身体を揺らし右手人差し指を左右振りながら答える雪奈。
その姿に暑さをあい重なりイライラと苛立ちを覚えて、思いっきりデコピンを雪奈に食らわせる。「痛いな、、、。もういい加減にしてよ、女の子の顔に傷でも付いたらどうすんの。新、それにニュース見てないでしょ。千尋さん夜7時にはもう落ちて転落してるそれに叫び声を聞いた人もいないってさ。」痛さそうにデコを擦りながら雪奈は続けた。「ニュースでは屋上の安全策外に天体望遠鏡が置いてあったらしくて星をよく見ようとして乗り出してたんじゃないかって。」ここでふいに引っかかった。何故屋上で天体観測をしてたんだ、未だ日が浅いのも手伝い血痕が引きづるようにコンクリートにこびり付いている。ただ何だかおかしい、その時はそのくらいしか気に止めなかった。「屋上からじゃなくても天体観測は出来る筈だよな。」「確かに、おかしいね。でもニュースでは自殺の動機も無かったし直前のトラブルも無かったらしいよ。」この僅かばかりの取っ掛りがのちに響いてくるのを俺たちは未だ知らない。
最初のコメントを投稿しよう！