少女K

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数日前。一戸建て、駅前から少しだけ離れた一等地とは言えないものの傷一つ無さそうな新築。出てきたのは若々しい皺一つなく清潔感を帯びた眼鏡の男性、名は相原 洋輔 妻と共に30代前半。「お待ちしてました。あんまり不審がられても何なんで、中に入って下さい。」そう言って確認もせずに招く洋輔。新は余程尋ねてくる来客が少ないだと思った。じゃなければ白昼のそれも日曜日にスーツを着た男女に用件も聞かずして家に入れることはない。「先日電話でお伝えした、相原洋輔です。妻の事ですがやはり疑わしい事が多々重なっていて色々揉めるのも何ですしこの際調べて貰おうと思いまして。」「そうですか、では具体的にお聞かせねがいますか。」洋輔が出したお茶をくいっと飲みながら春日井未来。「慧奈の方ですが最近帰りが遅いようになって、彼女の携帯電話が頻繁に鳴るようになってディスプレイ表示で見てしまったんですが、涼介が表示されていてそいつ私の高校の同級生で否定はしていましたが内緒であっているようでしかも友人から仲睦まじい感じで男と二人きりで食事をしていたみたいで結婚して3年経ちますがこんな事初めてで。」 相原慧奈 30歳 地元メーカーで事務職を勤める。「正直いってそれだけでは浮気しているかは判断しかねる所ですね。他には有りますか。」「最近可笑しいです、化粧もあんまりしないクセにめかしこんで休日友達と出掛けて行ったりどうなんでしょう。」心配そうな洋輔を他所に部屋に飾ってある写真立ては幸せそうな二人を写す。「正直こんな所だっただろ、涼介と会ってたのだって洋輔の事でかも知れないし。今日動いたのは偶然じゃないのか。」不思議そうに助っ席から此方を伺う春日井未来。「いいえ、そうじゃ無くてその後が重要です。」 子供はいない。洋輔と慧奈は白鷺学園大学で出会ったらしく先輩と後輩の仲でそれから発展したらしく嬉しそうに馴れ初めを語る彼の話を無下には出来なかった、春日井さんもほとんど聞き流し。「涼介のやつ、白鷺学園で教師をしているんです。この前まで二人で良く飲みに行ってたんですがここ最近は都合が付かなくなってそしたら涼介に似た男と一緒に歩いてるのを友人が見てて高いコース料理料理をご馳走になってたらしくて帰りも遅くなったしまってこのままだと、、、。」
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