少女K

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「未来さんのいう通りですね。今は警察に任せようと思います相原慧奈の事は、だけど被害者の事故調査の依頼って雪奈とどんな関係があるんですか。」「まぁ、唯の事故調査何か警察がやる事だろう。詳しい事は依頼人である白城雪奈本人に聞くといい、私は今回別件で忙しいのでな。」そう言って彼女は持参の鞄から数枚のコピー用紙を取り出す。調査対象 工藤千尋 交友関係の調査及び精査と見出しが付いているコピー、アイスコーヒーを喉を鳴らし一気に飲み干し。「後任せる、どうしても外せない用があってな。それと現実より事実は奇なりだ、今回の忠告は。」「何ですかまた、三文小説の書き出しみたいですね。まるではぁ、、、。分かりました、また春日井さんに改変されても困りますし何とかしてみせます。」忠告なんて今までされた憶えがない。それ程事は急ぐのかいや唯の気まぐれか、分からないが今回のケースは些か難解、というより不可解な物ばかりだった。 記憶では7時30分を過ぎていた、そのうる憶えの記憶を叩きだしてみる。ただ毎日の繰り返し退屈をしていた、その他も例外とは言えないだろう。味気もなく代わり映えしないゾロゾロと波打ちながら歩いていく生徒達、その中に私がいる。校門を過ぎ去り校舎へ向かう途中、前を歩く男子生徒達の会話が聞こえてくる。それは内々の話にしては大きくて背中からでも伝わるほど興奮してるように思えた。 「おい。見たかよ、例のイザナミやべぇ事なってるらしいぞ」「はぁ、どうでもいい事だったら承知しないぞ柏原。」それはまるで本日のビックイベントでも始まるみたく溌剌として嬉しそうな横顔も名も知らずいた柏原。私はその三人組の丁度後ろを歩く、前後脈絡のない彼の言葉が耳を伝う距離感を保つ。男子の歩幅に勝てず満員電車に揺られるサラリーマンみたく列に従うだけその退屈かつ窮屈な日常は忽ち壊れていったのだ。
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