少女K

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轟々とやかましい程のサイレンが突如にして響き渡る。平然とした登校は待ちわびたヒーローが現れたかような歓声じみた声と何だ何だと不安がる声が入り交じる。「ほらな。やっぱり予想どおりだろ、聞いて驚くなよ2年生が中庭で死んでるのが見つかるらしいんだよ」散々勿体ぶる素振りを見せた柏原の抽象的な中学生の説明を聞いて呆れる、どうせ何かの間違えか彼の付いた嘘かも知れない。それでも柏原除く以下2名には効果があったらしい、行ってみようとか何とかやり取りがあったに違いない。サイレンで浮き足立ってる生徒達を尻目に彼らは勇足で中庭へ向かい消えた。不自然な取っ掛りを覚えたのを覚えてるがそれが何なのか説明出来ずいた。 その矢先、女女しさを憶えるほどの蝉時雨を描き消して数台の警察車両が校内へ入って来て忽ち騒がしく注目を集める。 中庭で2年生が死んだ、、、。そのフレーズが頭から張り付いて消えない私は何だかんだで自然と柏原達の後を追っていた。「どいて、どいて見せ物じゃないから邪魔すんな。」そのぶっきらぼうな声で野次馬を制止する警官と携帯片手でSNSでもやっている生徒。それはさながらタレントの出待ちにも見える、規制線が敷かれた先にダッカーが見え隠れ野次馬と警官の間、数センチから覗く私自身はその様子をじっくりと眺めるだけで精一杯。どうも噂はあながち間違えないのだろうか、間もなく校内放送が入ったはずだ。 「登校中の生徒に告ぐ、只今からここに居る個人個人が皆敵であると思え。さぁ楽しい策略ゲームの始まりだ」まぁ現実はそういくわけでもなく私の中で非日常を欲してたのは間違いない。空想でも某小説の冒頭を浮かべたバチあたりにしっかりとバチが後ほど当たるのは暫し後になる。
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