結末

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結末

僕は思わず声を上げた。 「あの・・るりちゃん・・?」 宮司さんは深く(うなづ)いた。 「武将は説得をしたそうですよ。 このままゆくと自分たちは赤子(あかご)になってしまうと。 それまでに善行(ぜんこう)を積まないと、 このまま天にも行けずに ただ消え去ってしまうかもしれないと。」 僕は小さな虫のようになり、無に帰るさまを想像してぞっとした。 宮司さんもしばらく沈黙して、また静かに話し出した。 「ワシカグチ、という名前で思い出したのです。 鳥の(わし)に口と書いてワシカグチ。鷲口(ワシカグチ)のお(やかた)様。 それがこの武将の呼び名でした。」 僕は唇を()めてしめらせた。 「それでは・・助けてくれた青年が・・?」 僕たちは薄暗くなった部屋で、お互いに見つめ合った。 「彼らは・・まだ救われてはいないのですね・・。」 宮司さんは瞬きを数回して、涙を(こら)えているようだった。 「いや・・長い話をきいてくださりましたな。 どうぞ一夜の夢と、御心にとどめ置きください。 おやすみなさい。ごゆるりと。」 宮司さんはそういうと静かに部屋を辞した。
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