宮司さんの話

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その声を聞いて哀れに思ったか、一頭の巨大な白い狼が現れ言ったそうです。 「お前たちはあまたの敵を殺し、仲間たちを裏切り切り捨てた。 その罪をお前たちの命で(あがな)わなければならぬ。 お前達が奪った命、仲間たちの悲嘆や絶望、それらを全てその身に受けた時 お前達はようやく安らぎを受けることができる。」 武将は必死で追いすがりました。 「いったいどうすればいいのだっ!」 白狼は静かに言ったそうです。 「他者のために生きよ。それがお前たちの罪の数を上回った時 天はお前たちを受け入れてくれよう。 ひとり受け入れられたら、私が赤き花をひとつ送ろう。」 そして「(はげ)めよ。」というと白狼は消えたそうです。
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