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一瞬緩みそうになった涙腺に蓋をして、俺はニッコリと笑顔を顔に貼り付ける。
「そうだね。そう言って何社も落とされたからきっと俺は普通の仕事に縁がないんだろうね」
幼女は、相変わらずの鉄仮面で俺の顔をまじまじと見つめてくる。
「仕事に縁がないってことは、人生に縁がないってこと?」
今度は吐血しそうになった。が、なんとか堪える。
「お嬢ちゃん、なかなか核心をついてくるね。まあ、その通りかもしれないね。でもね、人間生きてれば何が起こるかわからないもんでね。こんな俺も必要とされる時がたまにあるんだよ」
「見た感じ、全然そうは見えないけど。どんな時に必要とされるの?赤いおじちゃん」
「うん…まずそのおじちゃんってのやめてくれない?俺、まだ30歳になったばかりだから。この前まで20代だったんだから」
「早く教えて、赤いおじちゃん」
頑としておじちゃん呼ばわりをやめない幼女。あれか?最近の幼女は言葉のナイフで大人の胸をえぐってくる上に、人の話はまったくもって聞き入れないスタンスなのだろうか。まったくもってこんなのを相手にする親御さんや先生方には頭が下がる。
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