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「ヤバイヤバイ!
こいつは、本当にヤバイぞ!」
俺は、事の重大さに戦慄した!
「ま、まずは!
このキスマークを何とか落とさなきゃ!」
俺は男ではあるが、
実は以前の経験から口紅の落とし方は熟知していた。
実は、俺は学生時代にクリーニング屋のバイトを長い事していた経験が有るのだ!
だから、見よう見真似ではあるが、口紅は元より油やソースなどの染み抜き方法はある程度、熟知しているのである!
「それにしても、このキスマーク…めちゃめちゃ目立つなぁ」
俺は、ワイシャツを凝視した。
まさに『べったり』と言う表現がしっくり来るくらいに、はっきりくっきりと付いている…。
口紅の色も、ケバケバしくて真っ赤っ赤…
何となく、毒々しささえ感じる。
この真っ赤な口紅…
『あの女』が付けていたのと同じ……。
うわ!
嫌な事を思い出してしまった!
俺は早速、洗面台にワイシャツを持って行くと、ぬるま湯を張り、
棚から洗剤や歯ブラシやらを取り出して作業に取り掛かった。
「上手く落ちてくれよぉ…」
俺は、神にでもすがり付く思いで作業に没頭した!
うっすらとでも跡が残ってはダメだ!
綺麗さっぱり落とさなくては!
しかし…
「お、落ちない!」
いくら、やってもキスマークは全く落ちる気配すら無いのである!
「おかしい!
この方法で落ちるハズなのに…何で、落ちないんだ?!」
と…
俺は、今更ながら
ある『妙な事』に気付いた。
よくよく見てみると…
このキスマーク…
ワイシャツの
『背中あたり』に付いているのだ…。
キスマークが付く場所にしては…
めちゃめちゃ不自然な場所じゃないだろうか…。
しかも……
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