第1章「個性のLiberte」

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第1章「個性のLiberte」

理事長からの『一大プロジェクト』の担当を言い渡された日の翌日、私は早速3人の男子生徒をレッスンルームに呼び出した。 私の隣には、私と共に『プロジェクト』の担当となったプロデュース科の新入生『鈴掛月子』が隣にいた。月子は、少し緊張しているのかどこか落ち着かない様子だった。 「……月子、大丈夫?」 私がそう声をかけると、月子はハッとしたような動きで私を見た。その後すぐに笑顔を見せながら「大丈夫です!」と返した。 「少し緊張はしてますが……この学校の為に少しでも力になれる事があるなら、私、頑張りたいです!」 「……そっか」 月子の言葉に私がそう返すと、月子は「はい!」と満面の笑みで返事をした。 そのまっすぐで素直な笑顔は、私には少し眩しすぎるほどだった。 そんな事を考えながら暫く月子と話をしていると。 ―ガチャ。 レッスンルームのドアが開く音がした。 「あっ、来たみたいですよ!」 月子がそう言いながらドアの方を見る。私もそれにつられるようにドアの方を見た。 ―入ってきたのは、私は事前に呼び出した3人の男子生徒だった。全員、アイドル科の新入生だ。2人はA組の生徒、1人はB組の生徒。 1人の男子生徒が、レッスンルームに入ってくるなり「うわー!」と声をあげた。 「ここがレッスンルームか! すげー! 広ぇー! 動き回れるじゃんかー!」 そう言いながら走り回る男子生徒に、後から入ってきたオッドアイの男子生徒が一つ溜息を吐いてから「ちょっと」と呆れ気味に言った。 「はしゃぎすぎ。あんたここに何しに来たかわかってんの?」 「分かってるって! レッスンしにきたんだろ? 先生だって、その為に呼び出したんだよな?」 先程まで走り回っていた男子生徒が動きを止めて、私の方を見てそう聞いた。 私は「うーん」と少し考える素振りを見せてから再び口を開いた。 「残念だけど、今日はレッスンの為に呼び出した訳じゃないんだ」 その返答に反応したのは、いつの間にかレッスンルームに入ってきていたらしい褐色の男子生徒だった。 「では、何故俺達を呼び出したんですか? ……それに、隣の生徒は確かプロデュース科の生徒ですよね?」 「あっはい! プロデュース科の1年A組、鈴掛月子です!」 男子生徒からの問いに月子がそう答えると、最初の男子生徒が「A組!?」と口を開いた。 「わー! じゃあ俺とおんなじクラスだ! あっ、俺はアイドル科の『三星陽輝(みつほしはるき)』! よろしくね、月子ちゃん!」 「はい! よろしくお願いします!」 陽輝の言葉に月子がそう返すと、先程質問してきた褐色の男子生徒が「こら陽輝」と口を開いた。 「話を止めるな。先生が返答のタイミングに困るだろう」 「あっ、そっか! ごめんねー先生! ……で、何の話だっけ?」 「……『私が3人をここに呼び出した理由』、だね。今から話すよ」 陽輝の言葉に私はそう返してから、先程の男子生徒の質問に答えるように事情を説明した。
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