第1章「個性のLiberte」

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「ところで、今後の予定については考えているのか?」 幹大が月子にそう聞くと、月子は「そうですね……」と少し考える素振りを見せた。 「今のところイベント等は見当たりませんし……。しばらくは、レッスンをしながら少しずつ活動していけたらなと!」 続けて月子がそう言うと、蒼紫が「なるほどね」と返した。 「まあ、悪くはないんじゃない? 言ってもオレ達さっき結成したばかりだし、そんな状態でいきなりイベント参加しても失敗するのがオチだろうしねえ」 「そうだな。俺達はまだお互いの事を知らなさすぎる。それを知る為にもレッスンを重ねるべきだろう」 蒼紫の言葉に、幹大がそう返した。 すると、陽輝が「はいはーい!」と元気よく手をあげた。 「俺、それぞれの自己紹介動画撮りたい!」 陽輝のその提案に、蒼紫が「ハア?」と呆れた顔で首を傾げた。 「撮ってどうすんの?」 「決まってんじゃん! SNSに投稿するんだよ! そしたら俺達に興味持ってくれる人も出てくると思うし、俺達は俺達でお互いの事を知るきっかけになる! まさに一石二鳥じゃね?」 陽輝がそう言うと、幹大が少し感心したように「一理あるな」と返した。 確かに、陽輝の言う事には一理あった。自己紹介動画はお互いの事を細かく知れるし、その人の性格等も動画を通してある程度把握することができる。それにSNSの拡散力は侮れない。私自身もそれは経験済みだ。良い事も悪い事もすぐに拡散される。 蒼紫が一つ溜息を吐いた。 「オレ、あんまりそういうの得意じゃないんだけど?」 「大丈夫だって! 趣味とか好きな食べ物とか、そういうのを言えばいいんだよ! ……あっ、けどSNSにあげるんだから住所は言っちゃダメだからな?」 蒼紫の言葉に陽輝がそう返すと、蒼紫は「いや言わないけど」とツッコミを入れた。その後蒼紫は「まあけど」と続けて言った。 「あんたにしては妙案だと思うよ。動画なら今はスマホがあれば撮れるし。オレ達の事を知ってもらうにはそれが一番手っ取り早いかもねえ?」 蒼紫がそう言うと、幹大が「なら決まりだな」と再び口を開いた。 「早速だが明日の放課後、再びここに集まろう。月子も、それで大丈夫か?」 幹大の問いかけに、月子が「私は大丈夫です!」と返した。 その返答を幹大が確認すると、続けて幹大は「それから」と私の方を見ながら言った。 「俺達だけでは不備があるかもしれないので、できれば先生にも来て頂きたいのですが、大丈夫でしょうか?」 ―3人がどんな自己紹介動画を撮るのか。 少し楽しみにしながら、私は幹大に「大丈夫」と返事をした。
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