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「いい笑顔ですね。よし。まず、ここを紹介しますね。ここは...」
説明よりも美貌に見とれてしまい、
「大丈夫ですか?るうらさん。」
と言われ、はっとなることもしばしばだった。
「あ、はい!えっと...」
なんて呼んでいいかわからず、言葉が濁る。
「師匠、で結構ですよ?」
クスクスと笑いながら教えてくれる。
コロコロと表情が変わる様を見ていると、今度は奈乃葉が驚いたような表情をする。
「どうしたのですか?」
なんて答えようか...一瞬迷った。
だが奈乃葉の前で嘘はつけないだろうと直感で判断し、正直に答えた。
「師匠の感情の移り変わりを見ると、私も嬉しくなるなぁ...と思いました。」
奈乃葉は先ほどよりも深い笑みを浮かべてそのままだった。
「素直ですね。とても良いことですよ。
さて...急なんですが、私のお願いを聞いてくださる?」
深い笑みの中にキラリと殺意が光る。
「るうらさんは日常的に武術をたしなんでいたらしいではありませんか。」
獲物を見つけ、狩る。
そんな眼差し。
「おっしゃる通りです。」
「私と戦いましょう?もちろん素手で。」
どれだけ私に傷をつけるのか...楽しみです。
どうでしょう。お願い、きいてくれます?」
その瞬間、全身に鳥肌が立つ。
「もちろん、受けてたちます。」
奈乃葉に負けないように、ニッと笑う。
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