任務1

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その全てが奈乃葉を形づくっているのだろうか。そう思っていると、あっという間に部屋に着いた。 玄関を入って右の廊下の三番目の角を左。 その手前にある和室。 迷路のような屋敷だ。 障子を開けるとき、妙に緊張したが開けてみると普通の部屋だった。 畳があり、生け花が飾ってある。 「ここですよ」 「わざわざお部屋までありがとうございます。」 ペコリと頭を下げる。 「あ、るうらさんが寝るのはあの布団ですからね?」 奈乃葉の指をたどると、枕の右と左にカミソリが立ててある布団が目に入った。 「え!?」 カミソリのある布団。 当たり前だが今まで寝たことがない。 「るうらさんはかなり寝相が悪いそうじゃないですか。 少しは寝相を良くしなくてはね?」 いや、それが目的なのか。 初めて自分の寝相の悪さを恨んだ。 お前...もう少し大人しくしてろっ 頭に叩き込む。 「恐怖心が増幅するでしょう?」 ニヤニヤと笑う奈乃葉を見て、るうらの頭にはあることが思い浮かんだ。 「人の恐怖に脅えた顔...何度思い出してもたまらないですっ...」 キャー、と頬を赤らめている。 やはり奈乃葉は... 人の恐怖を見て喜ぶ...サディストだ。 「るうらさんの軌道のブレはこれから治していきます。」 「覚悟してくださいねぇ???」
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