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side N LINEしましょ
『今日は話せて楽しかったわ』
『こちらこそ?』
『なんで?つくんよ笑』
『いろいろ衝撃過ぎたから』
『やっぱり俺おかしいん?』
『…的野先生』
『やめろ』
『そんなこと言わずに笑』
『でもやっぱ、付き合うんならその人と結婚までしたいやん』
『え?大丈夫?今時、小学生もそんなメルヘンじゃないから』
『嘘やん』
『事実や』
『んなこと言わんで』
『いや』
『普通そうやろ』
『お前と話してるとこっちがおかしくなる』
『ええやん』
『クズ橋が』
『俺の名字、楠橋な。クズちゃうから』
『クズ橋』
『やめて』
『夢見るのもほどほどにしよっか』
『…まじか』
『じゃあ何で付き合うん?』
『癒やされたいからとか?人それぞれだわ』
『的野先生はなんで付き合いたいん?』
『…なんでかな笑』
『おい笑』
『私のことはいいんですー
デートしたいからとかじゃない?』
『投げやりやな笑
でも彼女とどっか行くより、大人数で出かけた方が楽しくない?』
『デートの意味、分かってる?』
『分かっとるわ
けど、二人とか寂しいやん』
『別に寂しくないけど』
『まじか…俺は大人数で騒いでたい』
『彼女は癒し、らしいぞ。彼女いる男友達曰く』
『癒しなら猫でいいやん』
『彼女と猫じゃ求める癒しが違うの!』
『癒しに違いとかあるか?』
『猫は話さないからな』
『…鳴き声かわいいし』
『じゃ、猫と暮らせば?』
『俺の将来の夢やぜ。マンション買って猫と暮らす!』
『おっさんか』
『違う違う』
『そんなので、告白された時どうしてたん?』
『ドン引きしとった』
『は?』
『告白してきた女子に』
『死ねば?』
『いや、なんで俺なんかを好きになるんかなって。ほかにもっと良いやつおるやんって。』
『死ねば良いと思う』
『来世に期待しよ』
『見捨てんといてって。とりあえず、恋に恋すればいい?』
『そうすれば?』
『そういえば俺新聞部に知り合いおるんよ』
『中西くん?』
『中西くんは知らん』
『篠塚絵琉ってわかる?』
『友達ですー』
『よかったわ。仲良くしたってな』
『お母さんか笑』
『絵琉ちゃんすごいいい子だよ。ふつうに好き』
あの日以来、楠橋と連絡が途絶えることはなかった。一日に一、二回返事を送った。
お互いにクラスなどは教えなかったためか学校内で会うことはなかったが、この頃の私は自分のクラスの男子のことよりも楠橋のことの方がよっぽど詳しく知っていた。
悲しいかな、楠橋の恋愛の先生とやらを始めてからは一日一日が速かった。
気が付けば、通学路の途中にある花屋敷ではクチナシの花が咲いていた。
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