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ここは、いずことも、いつともしれぬ空間である。薄暗い。
その中で、しかし、ただ、ひそひそと声だけがする。
「なあ、だいたいが、幻魔大戦しか書けないこの筆者が、今回のエブリスタのお題の”ほっこり・ほのぼの”の物語なんて、書けるのかよ」
「わかっているよ。でも、知っているだろ、あの吾妻ひでお先生が、幻魔のパロディを描いているって話」
「ああ、知っているよ。東じょ、のだろ。笑って笑って・・でも、それで、通すのか?いや、通せるのかよ、この引き出しの無い筆者が」
「さあなあ、でも、こいつ、それでも、やるつもりみたいだね」
おやまあ、なんとも、筆者への敬意が、まったく見られないな、こいつらは。
「出たな、妖怪」
筆者だよ、筆者。筆者といえば・・
「ただのアホウ」
そう、アホウ・・って、ちゃうだろ~
「どこが?そうだ、そうだ~、僕たちが動かなければ、ただの一行もかけないじゃないか」
あ、いったな、おまえたち、それを言っちゃったな。それをいったら
「百匁目、ハリセンちょっぷ、く~わす」
なんか、違うような・・
「まったく、こいつは平井先生とは大違いだ」
「そうそう、あの人の文章には、情念と一緒にクールに風景を想像させる描写力が、ちゃんとあった」
「まったく」
「で、こいつに、”ほっこり”なんて書けるのか」
”もっこり”なら・・
「やっぱりだよ」
「ほのぼのじゃなく、ボロボロになりそう」
ども、すんません
「あらら、認めちゃったね。やっぱ、少しは自覚があるようだ」
「押しも押されもせぬ、六文銭作家」
「なに、三文作家ってのは聞いたことがあるけど」
「それ以下のってこと」
「六文銭、三途の川の渡し賃」
「とっとと、あの世に流れちゃえ」
ひ、ひどい~~
「それで、今回、みんなとなにをしようかって・・アイデアあるのかい」
その、ですね。今年は、新しい元号に改元がありまして、ですね。
「へえ、そうだっけ」
「ああ、知っているよ。確か、”令和”だったっけ」
「そうそう、ほのぼの***」
違げ~よ。それ、みんなが言っているギャグだけど・・その”令和"って呼び名の原典が、万葉集の文言から採られているんだけど、それが当時の貴族の宴からで
「宴?」
ああ、梅の花をめでる夜の宴で、万葉集に残る歌を謡った。
もっとも、今の総理大臣の所属する政治グループの”清和”会をもじったんじゃないかって都市伝説もあるけどね
「やっぱ、ほのぼの***」
「また、言ってる」
そのしぶとさ、もしかして、君、ヨコジュン?
「そ、やっとわかった?」
でも確か、キミはあの幻魔の起こした”正史”の事象ループを、マージャンマシン型タイムマシンの渦流逆転で・・”正史”を正常化して、そのときに
「そ、で、そのときに拙は、どうなったんでありんすか?」
・・・感動の物語としては、強力な時空ループの二つの渦の間に巻き込まれて、肉体が原子レベルまで分解して、いわゆる殉職をば・・ほら、ほかの平行世界でも、東丈は失踪しているから、この幻魔大戦の主人公の宿命ということで
「・・だと思った。やっぱり、拙者は、死んじゃったんだ。トホホ、トホホ、トホホのホ。折角、超革命的クリスタルチャイルドの不世出の超絶マンガギャグ家になってファンクラブもできたのになあ」
「世界と引き換えに、それも”正史”を正しい時空に戻すために命を張ったんだから、いいじゃない。たしか、あなたも、それを覚悟してたんでしょ」
「そうですよ、覚悟はしましたよ、あたしだって、男の子だ、今日も朝から、ジュニアは元気、ぱおおおって、一応はね。でも、それでも、何とかしてほしいってのが、人間、人情ってモノじゃないですか。これじゃあ、まさに、血も涙もない幻魔じゃないですか~」
肉体は滅んでも、魂は滅びない
「ったって、お芝居でいったら、しばらくは舞台に上がれなくなっちゃうんでしょ、すごろくでも、1回休み。そこは、なんとかして、ねえ、筆者さん、ねえってば」
といわれても、ですねえ・・・・
「で、”令和”の話は、どうなったのさ。ねえ、ねえ、筆者、もしもし、もしも~~~し」
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