見掛け倒しの赤

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触れ合った舌先は、案外ひんやりしている。 つるりと滑りあい、固い歯に舌裏が触れたところで離れた。 一瞬見えた相手の舌は赤々としていて、触れたらさぞ血液の熱さを感じるのだろうと考えていたが、そうでもないらしい。 唇は結構人肌って感じだったのに、やっぱり常時濡れてるから温度が下がるんだろうか。 期待を隠し切れない目が次は?次は?と瞬いている下で、色気もへったくれもない事を考えてしまった。 宥めるように回した手で背中を撫でてみれば、もっととでも言うように額を前髪にこすりつけて来る。 デカい犬。 あんまりなイメージが駆け巡ってしまった、ごめん。 集中していない詫びもかねてもう一度キスでも仕掛けてみようか。
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