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そいつはアンと名乗った。
プロフと顔も名前も違うじゃねえか。
まあ、プロフィールの写真と実際に会うヤツが全然違うなんてことも珍しいことじゃない。
「ごめんな、全然ゲイっぽくないからわからんかった」
アンはコロンとした茶色い革のバッグを膝に置き、俺の向かいに座る。
ダークブラウンの髪を巻き、唇にリップが光る、どこにでもいるような今どきの女子大生だ。見た目は。
「ホントについてんの?」
テーブルの下を指差す。
「ついとるよ」
アンはスカートの間を抑えながら、はにかんで笑う。
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