番外編

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番外編

みけ神に命を救われてから一ヶ月 俺は高校生になり、勉強に部活にと忙しいがどうにか頑張っている。 日々が早く過ぎていくと感じる週末、俺は慣れない包丁さばきでカレーの材料を下ごしらえしていた。 にんじんとじゃがいもは切れたが玉ねぎは目にしみる。 「あーいてぇな」 俺は目を擦った。 「でも母さんに食べてもらいたいからな……我慢我慢」 俺は自分に言い聞かせる。 このカレーは俺のために頑張っている母さんのために作るんだ。 「お待たせ」 俺は母さんのいる席にカレーを置く。 「美味しそうね」 「大雅も料理できるんだな、感心したよ」 親父の前にカレーを置くと珍しく誉めた。 「家庭科で習ったからな」 俺は言った。 普段は料理をしないけど家庭科でカレーを作っていたので、今回の役に立った。 俺も席に着き、三人揃った所で夕食となった。 最初にカレーを口に運んだのは母さんだった。 「美味しいわ」 母さんは嬉しそうに口走る。 それを聞いて頑張って作った甲斐があるなと感じた。 「おかわりはまだあるかしら?」 「勿論!」 俺は歯切れよく言った。 実のところ多めに作ってしまったがかえって良かったと思えた。 俺が初めて作ったカレーはその日に食べきってしまった。
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